「スーパーマーケットで買いたい!フード30選」

「スーパーマーケットで買いたい!フード30選」とは、当協会主催のスーパーマーケット・トレードショー(SMTS)の出展商品からエントリーを募り、栄養管理士や料理研究家、一般消費者などの審査委員が、消費者目線で「買いたい!」と思う商品を30品選出し、バイヤー向けに情報提供する企画です。2012年にスタートし、来年開催のSMTS2014で第3回を迎えます。今回は、第2回の選出商品の製造企業から商品開発の工夫や受賞効果などについて伺います。

国産の価値を訴求するため素材ごとに独自の製法を採用

 「国産山椒入りおかずごぼう」は、国産のごぼうを醤油のたれで漬け込み、山椒を加えた漬物。ご飯との相性が抜群に良く、お酒のつまみにもなるあっさりと上品な味わいで、フード30選の審査員からは「ごぼうの食感と香りが引き出され、山椒の風味も利いていて後を引く味」との高い評価を得ている。
 この商品を製造するのは、栃木県の老舗漬物メーカー、(株)すが野。創業は1918年、地元・壬生町の農産物を東京などで販売する青果業としてスタートし、その後、漬物の下漬けも行うようになり、1945年から本格的な漬物の製造・販売に乗り出した。現在、「らっきょう」「しょうが」「ごぼう」の3つのカテゴリーを柱に、国産素材を中心とした漬物の製造に取り組んでいる。「かつての青果業時代からの付き合いも大切にし、地元をはじめとする契約農家さんと協力しながら、美味しい漬物作りに適した素材を全国から調達しています」(菅野嘉弘専務)という。
 良質な国産素材の美味しさを引き出す製法も、素材ごとに独自性を出している。例えば、らっきょうは、一度塩漬けしてから塩を抜き、甘酢に漬けて冷蔵庫で熟成させ、味乗りを良くする二段熟成加工を採用。また、しょうがは大量の塩で一気に漬けるのではなく、冷蔵庫でじっくりと浅漬けし、素材そのものの風味を活かしている。「漬物の素材として、かなり前から価格訴求力のある海外産が増えてきた中で、国産の価値や美味しさをいかに訴求していくか、という観点から製法に工夫を凝らしてきた」(菅野専務)ことが、お客様から高く支持されている理由であろう。

専用シールやPOPで販促強化 売上は前年比2倍を記録

 ごぼうは、同社が漬物製造を始めた当時から扱っている素材であり、独自の技術を培ってきた。素材には細ごぼうを使用し、手間ひまかけて漬け、皮の一番外側のうま味を活かしていることが特徴だ。「農家さんとの長年にわたる信頼関係の下に、美味しい細ごぼうを安定的に調達できることも強みの一つです。昨今の“ごぼうブーム”に乗って、当社のごぼう商品にも注目が集まり、着実にリピーターを増やしています」
 そうした中で、フード30選にエントリーしたのが「国産山椒入りおかずごぼう」である。「ごぼうのラインアップは現在4アイテムあり、そのうち主力商品はかつお風味の『あさごぼう』ですが、今回は漬物をそのままというよりも、“ご飯”というテーマから食の提案をしようと考え、おかずごぼうを出展しました。山椒の辛さで味を引き締め、ひと味違う美味しさを実現していることもアピールポイントになったと考えています」
 フード30選に選出されて以降、商品パッケージにシールを付けたり、専用のPOPを作成するなどPRを強化した結果、前年比2倍という売上を記録。「販促企画にご協力いただいたお取引先様からの反応も非常に良いですね。また、私どもの従業員が、製造現場を中心にとても喜び、モチベーションアップにもつながりました」と大きな手応えを感じている。
 同社では今後、漬物の各種商品で、魚や肉、豆腐など他カテゴリーの食品とコラボレーションしたメニュー提案や、地元の道の駅などにおけるクッキングスクールの開催などにより、漬物市場全体の活性化を図っていきたいという。「まずは漬物を食べていただき、その美味しさを知っていただく環境づくりを進めていくことが大切。当社としては、惣菜感覚で食べても美味しく、料理提案にもつながるような価値ある商品開発に引き続き取り組んでいきます」

原材料・製法共に質を追求 長崎から全国へファンを拡大

 フード30選に選出された「ゆず醤油かけぽん」は、本醸造丸大豆うすくち醤油をベースに、高知県産のゆず果汁を使用した、つけ・かけ専用のゆず醤油。秋冬の鍋料理はもちろん、焼肉、焼魚、揚げ物、サラダなど、季節を問わず、さまざまな料理に合わせることができる。フード30選の審査員からは「ゆずや酢の酸味が強すぎず、まろやかでクセがなく、酸味が苦手な人でも毎日食べられるように、という想いが伝わってくる味。うすくち醤油だから料理の色をきれいに出すことができ、どんな料理にも合わせやすそう」との評価を得た。
 「ゆず醤油かけぽん」を販売するのは、長崎県のチョーコー醤油(株)。1941年、県下の醸造元29軒が集まって設立した組合(現・長工醤油味噌協同組合)をルーツに、現在、同組合が製造、チョーコー醤油(株)が販売を担い、県内No.1の醤油・味噌メーカーとして全国に販路を広げている。TV番組で、地元では名物・皿うどんにかける風習があると紹介され話題となった「金蝶ソース」のメーカーでもある。
 チョーコー醤油(株)の特徴について、林田邦彦社長は「原材料・製法と共に美味しさを追求していることに加え、品質管理を徹底していること」と説明する。例えば醤油では、丸大豆を使って、昔ながらの本醸造製法の下、しっかり熟成させた商品づくりを行っている。また味噌では、長崎県でしか栽培されない大麦「御島はだか」を原料とする麦味噌をメインに展開。「当社商品は、丸大豆使用や無添加などの特徴がお客様に支持されており、特に首都圏を中心に売上を伸ばしています」(林田社長)

入選後、売上高が2桁増に 9月からキャンペーンも開催

 チョーコー醤油(株)が「ゆず醤油かけぽん」を発売したのは1988年。当時、ポン酢と言えば、冬場に水炊きの具材をつける食べ方が主流だった中で、業界に先駆けて、つけ・かけ専用、ノンオイルドレッシングにもなる調味料として、多様な料理に合うマイルドな味を実現した。質を追求する商品開発を続けてきたノウハウや理念と、新しいニーズを掘り起こすアイデアが生んだ商品であったと言えよう。
 「『ゆず醤油かけぽん』は一度味わってみれば、その美味しさが伝わり、リピーターも多い商品。さらに、かけるポン酢=チョーコー醤油(株)となるくらいに認知度を高めていくには、今後どのような施策を打ち出していけばいいだろうか」そうした課題解決への意識を強く持って、スーパーマーケット・トレードショー2013 の長崎県ブースに出展するとともに、「フード30選」にエントリーした結果、入選を果たしたのである。
 選出後の効果については、スーパーマーケットや卸などとの新規取引が増えており、売上高も4月が前年比16%増、5月が同20%増で推移するなど、確かな手応えを感じているという。さらに9月1日〜12月31日まで、フード30選入選を記念して、総額300万円(JCBギフトカード5,000円×600名)が当たるプレゼントキャンペーンを開催。商品に専用のネックリンガーをかけて告知するなど、期間中の売上は前年比20%増、年間売上120万本を目指す。「フード30選のロゴ使用期間中は、社員の名刺などにもロゴを入れて、お取引先様との話題づくり、商品の認知度向上に役立てています。さらにこれを機に、東北地方など紹介しきれていないエリアでも積極的に展開し、『ゆず醤油かけぽん』を全国ブランドに育てていきたい」としている。


※新日本スーパーマーケット協会機関誌「セルフサービス8月号」より転用

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