白田典子・さやかの「気持ちが動けば 商品が動く」

全国各地から地域産品が集まる「スーパーマーケット・トレードショー」「デリカテッセン・トレードショー」。 1つ1つは特徴ある商品であっても、そのまま売り場に並べただけでは特徴が伝わらず埋もれてしまう、ということもよくあることでしょう。 そんな中、多くの地域産品と関わり続けてきた経験を持つ、有限会社良品工房の白田典子さん・さやかさんは 「消費者の気持ちを動かすことができれば、商品は動く(売れる)!」と力強くおっしゃいます。 この連載では、SMTS・DTS2021に出展された商品を題材に、消費者が思わず買いたくなるような 商品の見せ方・売り方のヒント=「気持ちを動かす」方法を伝授してもらいます。

第2回:クリスマスにサブテーマを

すっかり涼しくなりました。売り場の意識はもう年末年始ですね。
クリスマスは毎年外せない歳時記ですが、サブテーマを設けるとぐっとシーンが具体的に見えてきます。

例えば燻製アイテムを掛け合わせて「薫るクリスマス」とすると、大人の雰囲気が出てお酒と合わせるイメージが浮かんできませんか。

人気のアヒージョも燻製されることで、ちょっと特別感が出ます。スパークリングワインとも合いそうです。

商品名 燻製 姫甘海老のアヒージョ
社名 株式会社MARGARITA1991(鹿児島県)

和の印象の強いカジキマグロですが、こちらはまるで生ハムのような味わい。
薄切りにした紅芯大根と合わせて並べると、素敵なオードブルになります。

商品名 気仙沼スモークシリーズ かじきスモークスライス
社名 大弘水産株式会社(宮城県)

サラダにも燻製の薫りを。
ナッツとの組み合わせがまたそそります。
ワインだけでなく、クラフトビールとも相性が良さそうですね。

商品名 くんせいナッツドレッシング
社名 安本産業株式会社(島根県)

ここでサブテーマを「りんご」にしてみると、また印象が大きく変わります。
旬の時期と果実の色味、可愛らしさが相まって「女子会」の雰囲気に…

同じお酒でも「シードル」だとクリスマスらしい華やかさはありながら、フルーティで飲みやすいので普段あまりお酒を飲まない方にも良いですね。国内の生産者さんも増えて、辛口などのバリエーションも出てきました。

商品名 アンシードル ギフト箱(ドライ&セミスウィート)
社名 株式会社プラスフォレスト(長野県)

ノンアルコール派にはもちろんリンゴジュース。
珍しい品種やちょっとプレミアム感のあるジュースなら、特別な日にぴったりです。

商品名 すっぱいりんごジュース
社名 合同会社パープルウィンドウ まさひろ林檎園(青森県)

こちらは酸味のあるりんごばかり10種類をジュースにした商品。
一番酸っぱいものはドレッシングにしても良いのだとか。品種ごとに味比べをするのも楽しそう。
温めてシナモンを入れてゆったり頂くのも、冬の楽しみですね。

ドライフルーツはチーズや生ハム、サラダにも相性良しです。

商品名 信州果実のドライフルーツ
社名 株式会社協和食品(長野県上田市)

国産ドライフルーツはお砂糖や油を使っていないものが多いので、お料理にも合わせやすいです。

こういうお手軽タイプのアップルパイも、温めてアイスクリームやシナモンなどのスパイスをトッピングすると、特別感が出ます。アップルパイにアイス、定番ですがテンション上がりますよね。

商品名 ほっと!パイ アップル2個入
社名 西南開発株式会社(愛媛県)

「クリスマス」は「みんなのもの」ですが、サブテーマがあると一緒に過ごす方の顔が浮かんだり、メニューのイメージが湧いたり、「私のもの」になるのではないでしょうか。


【筆者プロフィール】

白田典子

広告代理店を退社し、結婚・出産を経て、1994年良品工房を設立。 以来、地域商品にかかわり続ける。 2001年、「商品の価値は消費者がきめる」の想いから 「いいものプロジェクト」をスタートさせ、 独自の方法による地域商品の商品評価、モニター調査などを事業化。 2010年には、産地と消費者をつなぐ「場」として、 首都圏の商業施設内に地域食品を扱う直営店「ニッコリーナ」を出店。 台所と売場、両方の経験から「プロの消費者」として地域の商品づくりに携わるほか、 商業施設などの食品小売業をクライアントに、アドバイザーや売り場づくりの提案もしている。

白田典子

白田さやか

新聞記者を経て、2010年に(有)良品工房に入社。 同年3月にオープンした東京駅構内の直営店「ニッコリーナ」の開店準備を担当し、 初代店長となる。4年間の実店舗経験を生かし、その後は、「地域産品の売り方・手渡し方」を 探求しようと、社内では、とくに品揃え、棚づくりなどを担当。 食品販売や地域産品の販売に新規参入する企業をクライアントに、店づくり、MDなどのアドバイスも行っている。 3歳児の子育て真っ最中の日常で、バリバリリアルな視点でのアドバイスが、迫力も説得力も増している。

白田さやか
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