バイヤーズ“食”セレクション 審査によるメリット
食品・食材などの商品を“バイヤーの視点”で審査する『バイヤーズ“食”セレクション』。“店舗で本当に売れる商品”を発掘する、この審査会から実際に商品化され、改良して売り上げを伸ばした商品も数多くあるといいます。今では月に5回ほど審査会が開かれているという『バイヤーズ“食”セレクション』はどうして生まれたのか、そして審査を受けるメリットについて、社団法人 日本セルフ・サービス協会の城山将臣氏にお話を伺いました。
『バイヤーズ“食”セレクション』が生まれたきっかけは何だったのですか?
そもそもバイヤーの方々は、なかなか本音を言わないものです。試食して「おいしいですね」とは言いますが、商談は約20分くらいですから、実際に棚に並んだ時の印象とか誰をターゲットにしている商品なのか、パッケージのデザインなど、そういう細かいところまでは言わないものです。一方、メーカー側としてはやはり様々な観点からバイヤーの話を聞きたいと思っている。そこで、“複数のバイヤーがじっくりと商品を見定める”仕組みをつくって、商品の売り出しや改良の参考にしてもらおうと思ったのです。
メーカーとバイヤーの接点をしっかりつくる取組みでもあるのですね。
メーカーの担当者は、自分の会社の製品がNO.1だと思って、日々商品を開発されていると思います。しかし、その商品が実際に店頭に並ぶには、百貨店でもスーパーでもコンビニでも、どの小売にも必ずバイヤーがいるわけです。つまり“バイヤーの目に適わなければ商品が流通しない”ということ。だからこそ各メーカーさんにはバイヤーとの接点が必要なのですが、実際には各地で開かれる展示会でほんの数分話すだけということも多いです。特に地方では、そう頻繁にバイヤーの元へ足を運ぶことも難しいですから、こういう機会がとても貴重なのです。
審査には、どういう方が携わるのですか。
1つの商品の審査を、必ず3〜5人のバイヤーが担当することにしています。現役バイヤーやバイヤー経験者など、どの方もベテランばかり。在籍している、または勤めていた店舗は、スーパーやコンビニ、百貨店の方もいらっしゃいます。1商品についての審査時間は約20分。審査の特徴として「バイヤーどうしで相談しない」ということがありますので、皆さん黙々と試食し、審査項目に従ってコメントを書き込んでいきます。審査会は毎回、ピリピリするほど真剣です。
その審査基準はどういうものなのですか。
審査項目は全部で33あります。これをいくつかのブロックに分けて点数化していきます。出品の際に、メーカーはエントリーシートを提出しますが、商品のコンセプトや味、デザイン、価格などをまずは自ら分析していただきます。実は、これは実際の審査内容と同じ項目。バイヤー側も同じ判断基準で審査しますから、メーカー側の考えていることとギャップも生まれるわけです。例えば、味はとてもいいのに売り場の棚に合わない形であるとか、幅広い世代を狙ったつもりでもターゲットがあいまいでダメとか。審査は、メーカーさんに“気づき”を与えることにもなるのです。
実際に小売の現場で棚づくりをするバイヤーの意見は貴重なのですね。
消費者の意見を取り入れた商品が実際に店頭に並んでヒットするか、それに○○賞受賞と銘打ったものが本当に売れ筋になるかと言えば、必ずしもそうではありません。消費者に商品を提供するのは小売店ですから、そこの棚をつくっているバイヤーに認められなければ、お店で売られないということになります。バイヤーは消費者のニーズをとらえてバイイングを行いますが、一方で小売が“販売しやすい” “販売したくなる”という視点も必要です。だからこそ、この取組みを通じて、バイヤーの気持ちを伝えたいですし、とにかくメーカーさんを応援したい。バイヤーの生の声を聞くためのツールとして、活かしていただければと思っています。










